すべてがうまくいく「やすらぎ」の言葉
著者:ルイーズ・L. ヘイ

ルイーズ・L・ヘイは、1925年生まれの女性です。専門は教会公認のプラクティック療法家でカウンセラー。

ルイーズ・ヘイさんの人生は苦難に満ちていました。生後四ヶ月で両親が離婚、その後、貧困により5歳まで孤児院で過ごし、その後実母に引き取られたものの再婚した母からの虐待、 義理父、隣人からのレイプに絶えられず15歳で家を出て、16歳で出産、生後5日目に赤ちゃんは養女として引き取られ離れ離れになる。

やがてニューヨークに行き、ファッションモデルとなりますが、幼年期から少女時代の苦しみが強すぎたからでしょう、 恋愛やパートナーシップでうまく関係を築くことが出来ず、14年間の結婚生活後に40代前半で夫から離婚を言い渡され離婚されました。自分を責めるなか、この頃から次第に今のルイーズさんに通じる 「言葉の力」や「思考の力」の大切さに目覚められたようです。

「思考を変えれば人生は変わる」ということに気づいたといいます。無学だった彼女は必死に勉強し、 どのような思考がどのような身体不調に関連しているかなどを本にまとめていきます。

後年癌になった彼女は、 ガンは根深い恨みから身体を蝕んでいく病気であることを自覚、アファーメーションを使った自然療法による健康回復に全力を尽くし、自分の感情を吐き出していくことで癌を消してしまいます。

そして60歳になって、自己啓発や代替療法、精神世界についての出版物やイベントを手がけるヘイハウス社を設立し様々な活動を通じて世界中の人々とシェアーし続けています。

全米ベストセラーの彼女の本『You Can Hel You Body』からリストアップされた、「病気と考えられる原因」の章は特に参考になります。過去に囚われず、常に人生と自己を前向きに肯定的にとらえ、現在を有意義に生きることの大切さを訴えているのです。

こうした彼女の「生き方」と「哲学」は、先に述べたような彼女自身の凄まじいまでの成育史と、後年のガン宣告をも克服した体験の中から勝ち取ったものです。私たちが、過去の傷や失敗に心を痛める必要の無い事を彼女は優しく理解させてくれます。

彼女の本質を見通す鋭い視点と、人々を励ます暖かいまなざしを随所に感じることが出来、多くの読者に自信と自尊心を回復させてくれることでしょう。

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前向きに変わっていくには・・と具体的に示された数々の方法の中で、私を涙させたのは、3歳児の自分を心の中に座らせて「おまえのことは愛しているし大事に思っているよ、おまえの顔は好きだし明るくて利発なところも好きだ。おまえのやり方は好きだし、間違うのも勉強のうちだからいいんだよ。いつどんな時にもおまえの傍にいるからね」と語りかけてあげる所でした。(P60)

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私たちの人生の筋書きは、幼少の頃に受けた教訓に基づいています。私たちは皆いい子ですし「両親」の言うことは真実として素直に受け入れます。

両親のせいにしてこれから一生犠牲者として生きていくのは非常に簡単なことです。でもそのような生き方はあまり面白くないでしょうし、どん詰まりの状態から抜け出せないに違いありません。非難ばかりしていると、絶対に問題の渦中から抜け出せません。他人を非難すれば、私たちが持つ力を変える力を消耗するだけです。このことを理解していれば、問題を克服して未来を思い通りに動かせます。過去を変えることはできません。

未来は、現在何を考えているかに基づいて形づくられます。私たちがどの程度の理解力を持っているかは、両親の精一杯の理解力と自覚と知識を抜きにしては考えられません。誰かを非難する時は、必ず自分が無責任な人間になっています。

あなたを咎める人は、あなたと同様にびくびくと脅えています。あなたと同様に無力感にさいなまれています。自分の教わってきたことしか知らないのです。(P60~61)

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いわゆる「アダルトチルドレン」「インナーチャイルド」という言葉が流行り言葉のように使われていたことがあるけれど、結局誰でもが少なからずこういう傾向を持っているということなのかも。子供時代の自分を認めてあげて、愛してあげる。

私の場合は頑張れ頑張れ、親に認めてもらえるようにもっともっと・・と進んできたけれど、今必要なのは、頑張らなくても大丈夫。私はそのままでも愛されるに値する人間なんだ、と認めること。

その上で、両親も私と同じように苦しんできた(いる)人間なんだ、と認識すること。

全米ベストセラーの彼女の本「ヒール・ユア・ボディ」からリストアップされた、「病気と考えられる原因」の章は特に参考になります。とても良い本だと思います。